成功している社長の数字の見方

勝ち組社長になるための決算書の取り扱い説明書です。

行動計画を絶対にやり遂げる

行動計画・実行計画が会社の業績改善、利益改善に欠かせないことを『売上が増える行動計画』で書かせていただきました。

 

行動計画を絶対にやり遂げるためには、ある大前提があります。このことは、『売上が増える行動計画』では書かなかったのですがとても大切なことなので今回取り上げてみたいと思います。

 

必要とする利益が決まれば、必要とする売上も算定されます。決算書や売上などのデータからは、どの部分の数字にアプローチしていくのが効果的であるかは、ある程度見えてきます。そして、実行と管理を行っていくことで、業績改善の確度が高まります。

 

 

 

この確度を高めていくための重要なポイントが、

 

『人』です。

 

 

 

 

 

組織である以上、そこで働く人たちが納得し動かなければどんな対策も絵に描いた餅となってしまいます。そうなってしまえば、いくら課題が明確になろうが、また、いくら立派な行動計画が策定できても達成は困難なものになるでしょう。そんな土壌があるか、ないかはは行動計画推進のための大きな要因となります。

 

 

中小企業でよく見られる、行動計画がうまくいかないケースを挙げてみましょう。

★社長に利益還元の精神がない

結構多いケースです。社長が、『売上を〇〇円伸ばす。』と社内に訴えても、従業員に還元されないのであれば、まず従業員が動くことはありません。従業員としては、『そんなことをしても社長の収入が増えるだけで、自分たちには何のメリットもないし。』という気持ちになります。

 

どういう数字が出たら、還元されるのかを確約することが大切です。売上の増加に応じるのか、営業利益に応じるのか、あるいは、訪問件数に応じるのかなどその指標とする数字はその会社の取り組み内容で変わってきます。

 

いずれの数字を採用するにしても、きちんと従業員にも還元されることを明示していくことが大切となってきます。

 

★社長が取り組みそのものにコミットしない

 これも多く見られるケースです。『どうせ、社長の気まぐれだろう。少し経てば、また違う事をやり始めるさ。』と従業員が思っている場合です。

 

社長である以上、各部署や従業員に様々な指示をされていると思います。社長は、適宜に適切な指示を出していると思っていても、従業員が社長の指示はいつも気まぐれだと思ってしまっていたら、行動計画に本気で取り組もうなんて思う社員はいません。

 

いかに、社長がこの取り組みが継続性を持ったものであるかをコミットしていく必要があります。

 

 

★組織体制に変化がない

新しい試みをするのに、組織体制が何も変わらない。中小企業では、組織体制らしい組織体制の無い場合のありますが、そんな場合でも、各人の業務分担はあるはずです。

 

この業務分担、組織体制に変化がないと行動計画が埋没してしまう可能性があります。新しいことをするのに、今までと体制が変わらないのであれば、従業員は今までの仕事を優先しがちになります。新しい取り組みは取り残されて、いつの間にか日常の中に埋もれてしまいます。

 

新たな体制づくりというのも、計画を推進していくための必要な対策と言えます。

 

 

 

★一番のキモの部分の課題がスルーされている

会社が抱えている、本質的・根本的な課題がスルーされている場合です。

 

スポーツで言えば、技術的な課題にフォーカスした素晴らしい練習プランが作られているのだけれど、肝心の選手にそれを実行できるだけの基礎体力がない。あるいは、身につけた技術を本番で発揮できる胆力がない。心技体のうち、心と体が備わっていない状況です。こんな場合は、基礎体力や胆力を鍛えるためのプランが必要になりますよね。

 

会社の作る行動計画も同じようなことがあります。

・社内の雰囲気が悪い

・社員同士、社長と社員間で意見が言えない風土

・社員の心が会社から離れている

・日常的な過剰労働

 

こんな場合は、行動計画が素晴らしくても、それ以前のところに問題があって、とても実行に移せる土壌にありませんよね。『一体感のない会社』『熱量の低い会社』といえます。

 

これを変えられるのは、社長しかいません。もし、行動計画を策定する段階にないと思われたら、この本質的・根本的課題の解消から取り組むことが必要となります。

 

当事者の経営者だと見えない場合もあります。そんなときは、取引先、金融機関、会計事務所等、会社の外から自社を見ている第三者にズバリ意見を聞いて見るのがいいと思います。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

事業計画、経営計画、中期経営計画などと呼ばれるものも同じです。いずれの名称であっても、取り組みのための大前提が崩れていると、その計画はほとんど意味をなしません。

 

もし、本当に会社の業績を改善させていきたいと思われた際には、行動計画の立案は非常に効果的な対策になりますので、ここで挙げたような大前提を確認しながら、是非取り組んでいただけたらなと思います。