成功している社長の数字の見方

勝ち組社長になるための決算書の取り扱い説明書です。

売上を因数分解する!?

必要な利益額が分かると、それを達成するために必要な売上高も分かります。
ここまでは、計算の世界なので誰でも求めることが出来ます。

 

問題となるのは、『その必要な売上高にどうやって到達するか?』です。

 

 

ここから先は、クリエイティブ(創造)の世界であり、答えのない世界となります。中小企業においては、この部分のほぼすべてを社長が担っていると言えます。

 

経理担当者から、『社長、あと売上を3,000万円増やしてください。そうしないと、理論的には借金が減っていきません。』なんて言われたらどうしますか?

 

必要な売上高は、経理担当者でも、銀行員でも、会計事務所職員でも出せます。でもその方法を考えるのは社長しかいません。

 

そんなときに、社長の助けとなってくれるものがあります。

 

それが、売上の因数分解です。

この売上の因数分解の最大の役割は、現状の正しい把握です。

 

 

あんまり聞かないかもしれませんが、お付き合いいただけたらと思います。

 

 

売上を因数分解する・・・

 

決算書には『売上2億円』と一本で記載されていますよね。
その内訳がブラックボックスになっています。
このブラックボックスを開けていくのが、売上の因数分解です。

 

例えば、飲食店があります。
売上はそのまま2億円としましょう。

 

商品の属性別に因数分解してみます。

食べ物の売上高が、1.9億円

 大人向け 1.6億円

   セットメニュー 1.2億円

   単品メニュー  0.4億円

 子供向け 0.3億円

   セットメニュー 0.05億円

   単品メニュー  0.25億円

 

飲み物の売上高が、0.1億円

 アルコール 0.01億円

 ソフトドリンク 0.99億円

 

時間帯別に売上を因数分解してみます。

 モーニング     1億円

 ランチ      0.7億円

 ティータイム   0.2億円

 ディナー     0.1億円

 

 

こんな風に、2億円の売上を分解してみると、会社の状況が分かると思います。

★あぁ、夜はお店開いても意味ないじゃん

★なんで、子供は単品が多いんだろう?

★アルコールはほとんど出てないね。まぁ夜のお客さんがこれだけ少なければ・・・

 

いろんな状況が明らかになってきました。これで、いろんな仮説を立てることができるようになります。

 

ここでは、省略しますが原価を紐づけてみると、商品別の粗利も分ってきます。そうすると意外にも売上は上がるけど、赤字の商品だったなんてことも分ったりします。

 

どんな風に因数分解するかは、その会社の特性に合わせて行っていただければと思います。

 

エクセルで日ごろから売上げのデータを区分して記録しておけば、対策を立てる時に役に立ちます。日常業務の一つに加えていかれることをオススメします。

 

利益改善には、売上対策はどうしても避けて通れません。自社の売上構成が把握できていないという会社は、自社の売上の内訳がどのようになっているのか一度分解してみてください。

 

 

 

最後に、売上を因数分解することの、いい例を思い出したので書いて終わりにしたいともいます。

 

中学校での模擬試験で、英語・国語・数学・理科・社会を受けました。先生から、5科目の合計点が350点だったことだけが伝えられて、希望する高校に入るためには後50点足りないと言われました。

 

どの科目が何点なのか把握できません。自分の感覚で、出来不出来は分かりますがきちんとした情報がなければ、どう対応していったらいいのかが分かりませんよね。勉強の効率が非常に悪くなります。

 

ここで答案用紙が返ってくれば、どの科目のどこが良くて、どこが悪いのかが明確に分かります。いわゆる強みと弱みがハッキリしてきます。どのように対策を立てるかは考えないといけないですが、何はともあれ現状が明らかになったというのが大きな前進のはずです。

 

 

売上を因数分解することは、利益改善のスタートラインに立つことといえますね!