貸借対照表をイメージしてみた!
今日は、損益計算書じゃない方の話をしてみたいと思います。
よく芸人で印象の薄い方を、〇〇じゃない方ということがありますが、決算書における~じゃない方というのは、貸借対照表になるかと思います。
あんまり馴染みがないですよね…
それでも貸借対照表は、特に経営者にとってはとても重要な書類です。むしろ損益計算書より重要じゃないかと思えるくらい重要です。
それは、貸借対照表には、『カネ』と『投資』に関するエトセトラが記録されているからです。従業員では決められないものばかりです。
経営者となると、会社の行く末を左右する『カネ』と『投資』のコントロールが重要課題の一つとなります。
何を言ってるのかイメージがわかないですよね…
貸借対照表をイメージ図にしてみましたので、以下の図をご覧ください。
貸借対照表のうち左側の資産の部をイメージしたものです。
キャッシュがたくさんあれば、日々の支払いも、突然の支払いにも困りませんよね。もし、設備投資をしようと思ってもお金がなければ調達するところから始めなければなりません。現金預金はたくさんあればあったにこしたことはない資産といえます。
売掛金や受取手形、在庫は、もう少しで現金として回収されるところです。現金預金に近い立場の資産といえます。
償却対象の有形固定資産は、費用化していくことで現金回収に貢献しています。ただ現金回収するまでの時間が数年~数十年かかるというのが大変なところです。売掛金であれば1~数か月で回収できるところ、固定資産だと単位が年単位なのでその回収の遅さが目につきますよね。
土地、保証金は、費用化もできません。一般的に、事業をやめない限り売却、解約して回収するということもしません。費用にならず、現金回収もできずただひたすらに持ち続けることになります。費用化できないというのは、イコール税金の圧縮には何ら貢献しないということになります。
こんな風に、貸借対照表は下に行くほど、現金化しにくい経費化しにくい資産になっていきます。下に重~~い、会社というのはそれだけリスク高であるといえますよね。資金も少ないですから経営がしんどいはずです。
それをイメージすると下のようになります。
次に、負債、純資産の部を見ていきましょう。
まずは、理想の体型からです。
資本金、繰越利益剰余金には、支払が発生しません。長期借入金も、今すぐ回収されることはありません。一方で、買掛金や未払金は毎月支払いが発生します。
このイメージ図のように、キャッシュアウトしていかない、あるいはキャッシュアウトしていくスピードが遅いもので構成されていると、ひとまず安心ですよね。
反対に、買掛金、未払金は1~数か月でキャッシュアウトしていきます。すぐに資金を用意しないといけない債務といえます。イメージは、下の図です。
資本金、繰越利益剰余金が少なく、買掛金、未払金、短期借入金が多いと一気に資金繰りを考えないといけなくなりますよね。
貸借対照表を見ると、左右(資産の部と負債・純資産の部)ともにきれいな会社、左はきれいだけど、右が不格好な会社、その反対、左右ともに不格好な会社と4つのパターンに分けられます。
このうち、一番しんどいのは、左右ともに不格好な会社です。現金が少なく土地が多い、負債が多くて、純資産の部が少ないケースです。
バブルのころに借金で土地を購入されたような会社や納税意識が薄く純資産が蓄積できなかった会社に多く見られる形です。
損益計算書と違って、1年でリセットされることはありません。毎年の積み重ねで、バランスを整えていくしかないのが貸借対照表になります。
そのためには、どういう意識を持てばいいかということにつきます。
①無駄な資産を持たない。
②繰越利益剰余金を積み上げる。
これにつきます。
くだけた言い方をすれば↓↓↓
★ちょっと儲かりそうだから、ベンツ買っても(買い換えても)いい?
⇒ そのままお金で持ってた方が資金繰りが安定しますけど、使っちゃっていいんですか?ベンツって会社に利益を生んでくれていますか?
★ちょっと儲かりどうだから、なんか買って節税しようかな。
⇒ 節税で10割お金を使うくらいないら、納税して7割お金を残した方がよくないですか?純資産の部が厚くなれば、金融機関から借り入れしやすくなりますよ。
こういう意識が持てるかどうかです。様々な経営者の方とお会いして感じるのは、本当にこの意識の差です。
ぜひ、自社の貸借対照表をご覧になってみてくださいね!