成功している社長の数字の見方

勝ち組社長になるための決算書の取り扱い説明書です。

売上が増える行動計画

必要な利益額が決まると、そのためにクリアしなければいけない売上高も決まってきます。

 

その時に、まず行わなければいけないのが、売上の因数分解です。
別の記事で、売上の因数分解については書いていますので、詳細はそちらをご参考ください。

 

売上を因数分解する目的は、売上の内訳を明らかにすることであり現状把握を行うことです。

 

現状を把握できていないと、経験と勘で手探りに対策を立てることになります。社長の経験と勘で何年も経営をしてきたという中小企業はすくなくありません。

 

最近あまり調子が良くないんだよなとか、将来が不安であるなど、従来のやり方に限界を感じている場合には、現状把握のために一度売上を因数分解してみることをオススメします。

 

売上をバラバラに分解して、自社の強い分、弱い部分が分かったところで、次の段階である売上を伸ばすための具体的な行動を考えることになります。

 

 

この具体的な行動というのが、ものすごく重要です。
決算書を見ても、成績はよくなりません。
決算分析をしても、成績はよくなりません。
しかし、多くの中小企業は決算書を見て終了というのが現状です。

 

会計事務所も、『ここの数値が悪いです。このくらいの数値まで改善させないといけないです。』等と決算分析に基づいてどこが悪いのかを説明はしてくれても、その先までのサポートを行ってくれる事務所はそんなに多くはありません。

 

決算分析は、重要な作業ですが売上の因数分解と同じく、自社の現状を把握するためのツールにすぎません。分析自体に、売上や利益を改善させるチカラはありません。

 

決算書を読む行為、決算分析をする行為は、売上や利益を改善させるための具体的な行動ではないため、ここで止まってしまうと、何らかの改善を期待することはできません。気が付いたら借金が重くなっているということもあります。なかなか浮上するきっかけがつかめない会社は、具体的な行動をとる方向へ移行しない限りはジリ貧になっていきます。

 

逆に言えば、きちんと現状が認識できて、その打開のための行動を継続して行うことが出来れば十分改善の余地は残されていると言えます。

 

ただ、これがダイエットと同じでなかなかできないのです・・・
体力が落ちてきていること、体形が崩れてきていることなど課題は分かっている。しかも、そのためにとるべき行動も分っている。でも、できない。続かない。
理由は簡単で、危機が目の前に迫っていないから行動に起こせない、行動に起こしても続かないということだと思います。

ところが、これが糖尿病になるよ。と言われると、真剣にしかも継続的に運動を開始します。食事も気を付けるようになります。命の危険が、目の前に迫ってくると俄然頑張ります。会社経営においては、もっとひどくて、糖尿病になっているのにも気が付かないで更に重症になってから慌てる会社が多いような気がします。

 

これは、自分の肉体は、しんどさ、つらさ、危機感がいろんな場面で認識できるのに比べて、会社経営では危機を感覚的に感じられるのが手持ちの現金がなくなった時くらいだからだと思われます。赤字、債務超過くらいなら危機感のない経営者は沢山います。赤字、債務超過、現金欠乏の3つがそろって初めて、『ヤバい・・・』となる会社がたくさんあります。

 

少し話が脱線しました。
売上・利益を改善していくためには、決算書見る、決算分析をするだけでは不十分で、売上・利益にプラスに影響する実行計画・行動計画を立てて、それを監視・管理していいくということが求められます。

 

確実に実行に移していくためには、
実行する人と管理する人(チェックする人)を分けるのが一番です。
あるいは相互にけん制する体制を構築していく必要があります。

身内だけで、計画を立てて、なぁなぁに管理していては計画倒れになる可能性が大です。相互にけん制できる体制を社内に敷くことが出来ればいいですが、それが難しい場合は会計事務所を活用するのが一番ハードルが低いと思います。

 

 

マンパワーに制約のある中小企業において、実行していく計画は、1~3個です。
会社にいろんな課題が見えてくるとあれもこれも手を出したくなりますが、プランが多いのも計画倒れになりやすいので、ここはグッと我慢して最重要課題に絞り込む方が確実にプランを継続管理できます。

 

 

いかがでしょうか?
売上・利益を増やすために何が必要なのか?ということがお分かりいただけたと思います。

 

是非、行動計画・実行計画を策定し、経過観察を行ってみてください。習慣になれば必ず良い変化が起こりますよ!