成功している社長の数字の見方

勝ち組社長になるための決算書の取り扱い説明書です。

会社経営に必要な現金(キャッシュ)の量

会社経営に必要なキャッシュの量を知っていますか??

 

 

会社経営に必要な現金預金(キャッシュ)の必要量について意識することは案外少ないものです。

 

 

必要なキャッシュの量というのは、会社の規模によって異なるので一概に〇〇円あればいいということにはなりません。

 

では、何を基準に考えるのか?

 

 

それは、売上!月商です。

 

月商に対してキャッシュがどの程度あるかというのが一つの目安になります。

 

何故、月商で考えるのか?

 

黒字企業でも、当期純利益は対売上で3%とか5%という会社がほとんどです。中小企業で5%もあったらいい会社といえます。当期純利益が対売上20%とか30%という企業はほとんどありません。

 

100万円売上げても、経費の支払いで97万円は消えている、そんな企業がほとんどです。感覚的にも数字的にも手元には残っていないですよね。

 

だから、月商で必要な資金を考えるのです。
『月商=会社を回していくのに必要な最低限の資金』ということになります。

 

 

具体的にイメージしてみたいと思います↓↓↓

 

◆月商1か月分に満たない現金量の会社

当月の売上代金の回収を待たないと当月の支払いができない会社

もし、支払のピークが月初で、回収のピークが月末の場合は資金がショートする

常に資金繰りに奔走することになる

 

◆月商1か月分の現金量の会社

毎月発生するような経常的な支払いに対しては、手元資金で対応可能

賞与、納税が発生する月は資金が不足する

臨時的な費用(突発的な修繕など)に対応できない可能性有り

年に何回か資金繰りに窮するときがある

 

◆月商2か月分以上の現金量の会社

毎月発生するような経常的な支払いに対しては、手元資金で対応可能

 小口の非経常的な支出については手元資金で対応可能

多額の資金が必要な場合を除いて余裕をもって対応できる

 

 

だいたい大雑把に分けるとこんな感じになります。
ドキッとされた経営者の方もいるかもしれません。
これは売上や利益を追いかける目線では気が付きにくいところです。

 

自社が現在どのポジションにいるか確認の上、一つずつ上のステップに改善していく必要があります。最終的には月商の2~3か月分が安定的に手元にあるようにしていきましょう。

 

これは起業される方も同じです。手元資金は、月商以上は最低手元においておかないといけないんだということを意識しておかないと、手元資金を全て事業に投下してしまうことになります。

 

 

 

具体的にどのように手元資金を増やしていけばいいのかを考えていきたいと思います。

 

①入金のサイト、支払のサイトを見直す

販売してから回収するまでの期間を改善するだけでキャッシュの量は改善します。例えば、2か月サイトだったものを1か月サイトにすることができれば、それだけ売掛金が減って現金が増えます。ここの例えの様に、2か月⇒1か月にすることができれば、月商分のキャッシュを一気に確保することができます。

 

これで、手元資金にゆとりがうまれることになります。

 

支払いサイトについても同様です。もし、支払いを1か月先に延ばすことができれば、その分だけ手元資金が増えることになります。

 

この取り組みに課題があるとすれば、相手があるということです。当社がヤバいんじゃないかと思われる可能性があります。また、当社の資金繰りが楽になるということは、相手先の資金繰りはタイトになることを意味します。

 

この様に途中での取引条件の変更は相手に考慮しないといけない部分も出てきますので、できれば取引を開始するときに、サイトについて十分考えておくのがベストです。

 

 

②入金期日を数日前に、支払期日を数日後ろにずらす

①と同じ考えです。20日払いを25日払いにしてもらう。月末入金を20日入金してもらう。これで、支払と入金のタイミングが入れ替わりますので、支払が行いやすくなりますよね。

 

20日払いと月末入金では支払資金を用意しないといけませんが、25日払いと20日入金であれば、その入金を支払いに使うことが出来ます。

 

 

 

③借入を起こす

現在、借入については毎月返済型の借入が主流になっています。運転資金まで毎月返済型の借入になっているケースもあります。このような場合は、手形借入等残高が減っていかないタイプの借入にすることで手元資金に余裕が生まれることになります。

 

 

★最後に、、、

最後におまけです。オーナー企業は、良いか悪いか、適法かグレーか等は別にしてある程度経営者の好きなようにお金を使うことが出来ます。

 

その時に考えていただきたいのが、今日お伝えした会社のキャッシュの量です。例えば、車両を購入した結果、手元キャッシュが月商の1か月を割り込んでしまったら、その時から資金繰りが厳しくなります・・・。

 

口座に1億円あるとしましょう。口座に1億円もあると気が大きくなるかもしれません。そんなときは、自社の月商を思い出してください。キャッシュの絶対額は参考になりません。

 

月商1千万円の会社なら潤沢な資金があると言えますが、月商が1億円の会社ならギリギリですし、月商が2億円の会社なら火の車です。

 

月商1千万円の会社の社長には、車でも船でも買ってくださいと言えます(笑)が、月商2億円の会社の社長には、1円でも多く会社にキャッシュを貯めてくださいとお願いすることになります。

 

自社の売上規模と見合うだけの十分なキャッシュがあるかどうかを気にかけていくというのはここまで見てきたように経営上非常に重要なポイントとなりますので一度自社のキャッシュの量と月商がどういう関係にあるのか確認してみていただければと思います。